オレンジリボン・子ども虐待防止キャンペーンは、子ども虐待の防止と被害者支援を目的とした全国的な取り組みです。毎年11月に行われ、オレンジリボンをシンボルに、虐待の現状を広く知らせることを目指しています。名古屋市もこのキャンペーンに積極的に参加しており、市民の意識向上と具体的な支援活動を推進しています。名古屋市内でも、様々なイベントや広報活動が行われ、地域全体で子どもたちを守るための取り組みが進められています。
オレンジリボン運動
オレンジリボン運動は、2004年に栃木県小山市で起きた痛ましい事件をきっかけに始まりました。この事件では、3歳と4歳の兄弟が父親の友人から暴行を受け、最終的に命を落としました。この悲劇を受けて、地域の市民団体「カンガルーOYAMA」が立ち上がり、二度と同じような事件が起こらないようにとの願いを込めて、2005年にオレンジリボン運動を開始しました。
オレンジリボン運動は、子ども虐待防止を訴える市民運動として、オレンジリボンをシンボルに広がりました。2006年には、児童虐待防止全国ネットワークが設立され、運動は全国的な展開を見せるようになりました。毎年11月は「児童虐待防止推進月間」とされ、官民問わずに啓発や防止活動が積極的に行われています。
この運動は、子ども虐待の現状を広く知らせ、多くの人々に関心を持ってもらうことを目的としています。オレンジリボンを通じて、市民一人ひとりが子ども虐待防止に向けた行動を起こすことが期待されています。
名古屋市内での取り組み
名古屋市では、毎年11月にオレンジリボン・子ども虐待防止キャンペーンが実施されます。2024年のキャンペーンでは、イオンモール熱田で啓発グッズの配布が行われ、児童虐待防止のシンボルであるオレンジリボンや「児童相談所虐待対応ダイヤル189(いちはやく)」の普及を図ります。さらに、中部電力MIRAI TOWERがオレンジ色にライトアップされ、市内の百貨店やドラッグストアでも啓発活動が展開されます。これには、オレンジリボンの着用、懸垂幕の設置、啓発ポスターの掲示、子育て相談カードの設置、店内アナウンスの実施などが含まれます。また、「イライラしない子育て講座」の動画が「まるはっちゅーぶ」で配信される予定です。これらの活動を通じて、市民一人ひとりが子ども虐待防止に関心を持ち、具体的な行動を起こすことが期待されています。
もし身近で虐待を疑う事象が起きていたら…
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」(いちはやく)に電話する
虐待の疑いがある場合、まずは児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に電話してください。この番号は全国共通で、最寄りの児童相談所に繋がります。通報は匿名で行うことができ、通報者の個人情報は守られます。
相談窓口の利用も有効
地域の児童相談所や福祉事務所に相談することも有効です。これらの機関は、子どもや家庭に対する支援を提供し、虐待の防止に努めています
詳細な情報を提供する
通報時には、以下の情報をできるだけ詳しく提供します
- 子どもの名前や年齢(分かる範囲で)
- 親や保護者の名前
- 虐待の具体的な内容(例えば、殴られている、食事を与えられていないなど)
- 虐待が行われている場所と時間
- 目撃した状況やその他の証拠(例えば、傷やあざの有無、子どもの様子など)。
緊急の場合は警察に連絡する
子どもの命や安全が直ちに危険にさらされていると感じた場合は、すぐに警察(110番)に連絡してください。警察は迅速に対応し、必要に応じて子どもを保護します。
自分の安全も確保する
直接介入することは避け、自分の安全を確保しながら適切な機関に通報します。無理に介入すると、状況が悪化する可能性があるため、専門機関に任せることが重要です。
継続的な観察と記録
虐待が疑われる場合、継続的に子どもの様子を観察し、必要に応じて再度通報します。観察した内容を記録しておくと、後で通報する際に役立ちます。
最後に
オレンジリボン・子ども虐待防止キャンペーンの重要性を再確認します。このキャンペーンは、子どもたちの安全と幸福を守るために欠かせない取り組みです。名古屋市では、地域全体での協力が進められており、今後も継続的な取り組みが期待されています。市民一人ひとりが子ども虐待防止に関心を持ち、具体的な行動を起こすことで、より安全で安心な社会の実現が目指されます。今後も多くの人々がキャンペーンに参加し、子どもたちを守るための活動が広がることを願っています。