甚目寺観音は、愛知県あま市に位置する真言宗智山派の寺院で、尾張四観音筆頭として知られています。推古天皇期に創建され、源頼朝や福島正則など歴史上の偉人たちとの深い関わりを持つこの寺院は、多くの重要文化財を有しています。また隣接する漆部神社は、日本で唯一の漆器を祀る神社です。今回は、歴史と文化が息づくこの場所をご紹介いたします。
鳳凰山 甚目寺
名鉄津島線「甚目寺」駅から徒歩5分ほどの場所にあります。車をご利用の場合は、名古屋から約30分程度です。駐車場は約10台程度駐車可能ですが、公共交通機関の利用をおすすめします。
名称 | 鳳凰山 甚目寺 |
所在地 | 愛知県あま市甚目寺東門前24 |
本尊 | 聖観音 |
創建 | 597年 |
URL | https://jimokuji.or.jp/ |
甚目寺観音とも呼ばれる甚目寺は、愛知県あま市にある真言宗智山派の寺院です。創建は、聖徳太子がいた時代、推古天皇5年(597年)に、伊勢甚目村の漁夫であった龍麿が漁の網にかかった観音像を祀るためにお堂を建てたことが始まりとされます。この像は、海に流られた観音像の1体で、3体中残りの阿弥陀仏は信州にある善光寺、勢至仏は九州大宰府の安楽寺にあると言われます。
奈良時代、天智天皇が病気の際に甚目寺での祈祷後、快癒したことから鳳凰山の額を勅賜し、鎌倉時代には七堂伽藍も整え、戦国時代には織田信長や豊臣秀吉、徳川家の保護を受けなど、歴代の藩主から手厚い保護を受けてきました。
甚目寺境内は、見どころが非常に多いお寺です。南大門(仁王門)は、1196年源頼朝の命により梶原景時が再建した建造物で、木造仁王像は戦国武将福島正則により寄進されたものです。また三重塔は1627年建立され、鎌倉時代作と言われる愛染明王坐像が納められています。歴史的価値の高い重要文化財など約20点ほどございます。
漆部神社
甚目寺西側に隣接する、日本唯一の漆器を祀る由緒ある延喜式の神社です。「ぬりものの祖神」と言われる、天火明命5世孫にあたる三見宿弥命がご祭神として祀られています。
名称 | 漆部神社 |
所在地 | 愛知県あま市甚目寺東門前10 |
ご祭神 | 三見宿弥命 |
創建 | ー |
最後に
甚目寺観音は、重要文化財も非常に多く、歴史上人物に係わった多くの文化財も残っています。南大門は源頼朝の命により梶原景時が奉行となり建立され、安置されている仁王像は福島正則が寄進したものです。歴史と文化が息づくこの場所は名古屋からも非常に近く、観光にもおすすめの場所です。