名古屋といえば、観光地だけでなく「グルメの街」としても知られています。特に、地元独自の進化を遂げた料理の数々は、“名古屋メシ”と呼ばれ、今や全国的にも注目の存在に。味噌カツやひつまぶし、小倉トーストなど、一度聞いたら忘れられないユニークな名前と、食べて納得の美味しさが魅力です。
この記事では、初めて名古屋を訪れる方にこそ食べてほしい、おすすめの名古屋メシを厳選してご紹介します。王道からちょっとディープな一品まで、旅の合間に楽しめる名物の名古屋味をまとめてチェックしてみてください!
名古屋メシ 定番ベスト10
1. 味噌カツ


名古屋グルメといえばまず思い浮かぶのが「味噌カツ」。サクサクに揚げたとんかつに、たっぷりかけられた甘辛の八丁味噌ベースのタレが特徴です。
このタレは濃厚ながらもコクが深く、ご飯との相性が抜群。お店によっては揚げたてのカツにじっくり味噌ダレを染み込ませて提供するところもあり、どっぷり派とサクサク派に好みが分かれるのも魅力のひとつです。味噌カツ丼や味噌ヒレカツサンドなど、バリエーションも豊富です。
- 特徴:甘辛い味噌だれが衣にしみて絶品。意外とあっさり食べられる。
- おすすめ店:矢場とん(複数店舗)、とんかつマ・メゾン
2. ひつまぶし


名古屋が誇るうなぎ料理の最高峰といえば「ひつまぶし」。細かく刻んだ香ばしいうなぎの蒲焼きを、アツアツのご飯にのせていただく一品で、食べ方に“楽しみ方の流儀”があるのも特徴です。
まずはそのまま、次に薬味(ねぎ・わさび・のりなど)を加えて、そして最後は出汁をかけて“うな茶漬け”風に。1つの料理で3通りの味が楽しめる贅沢さに、観光客の満足度も非常に高い名古屋メシです。
- 特徴:そのまま→薬味と→出汁でお茶漬けに、3度楽しめるのが魅力。
- おすすめ店:あつた蓬莱軒(松坂屋10F)、熱田神宮の近くに本店
3. 手羽先唐揚げ


外はパリッと、中はジューシー。名古屋グルメの定番「手羽先の唐揚げ」は、ビールとの相性抜群の一品です。甘辛いタレとたっぷりの黒こしょうで仕上げたスパイシーな味付けは、一度食べるとクセになること間違いなし。鶏の旨みを引き立てる絶妙なバランスが、シンプルながら奥深い味わいを生み出しています。
名古屋の手羽先には、代表的な2大名店があります。ピリ辛でパンチのある味が人気の「世界の山ちゃん」と、甘みと香ばしさが特徴の「風来坊」。どちらも地元民に根強いファンが多く、好みが分かれる“手羽先論争”も名古屋らしい楽しみのひとつです。
また、手羽先は「手で持ってかぶりつく」のが名古屋流。骨からきれいに身を外す食べ方にはコツがあり、慣れるとクセになる楽しさも。居酒屋スタイルで気軽に楽しめるので、夜の一杯のお供にもぴったりです。
- 特徴:外はカリッと、中はジューシー。クセになる甘辛味。
- おすすめ店:世界の山ちゃん/風来坊(名駅・栄エリアに多数)
4. 台湾ラーメン


見た目からして辛そうなこの一杯。実は「台湾ラーメン」は、名古屋発祥のご当地グルメなんです。名前に“台湾”とついていますが、発祥は名古屋の台湾料理店「味仙」。台湾出身の店主が、まかない料理として出していた辛味ラーメンが評判を呼び、定番メニューとして広まりました。
特徴は、醤油ベースのスープに唐辛子でしっかり味付けされたひき肉、にら、もやしがたっぷりのった刺激的なスタイル。パンチのある辛さと旨みがクセになり、全国的にもじわじわとファンを増やしています。
看板店「味仙」では、初心者向けに辛さ控えめの“アメリカン”、逆に激辛の“イタリアン”といった裏メニューもあるので、自分に合った辛さで楽しめるのも魅力。名古屋駅や栄エリアにも店舗があり、夜遅くまで営業しているお店も多いので、飲みの〆や夜食にもぴったりです。
- 特徴:名古屋発祥の“台湾”ラーメン。辛さがクセになる!
- おすすめ店:味仙(本店は今池、名古屋駅にも店舗あり)
5. 味噌煮込みうどん


土鍋でぐつぐつ煮立つ、名古屋のソウルフード「味噌煮込みうどん」。赤味噌(八丁味噌)をベースにした濃厚なスープに、コシの強い固めのうどんが合わさった、寒い季節にぴったりの一品です。
最大の特徴は、打ちたてのうどんを茹でずに直接煮込むという独特の調理法。そのため、一般的な煮込みうどんよりもずっと硬めで、最初は驚く人も多いですが、食べ進めるうちにこの歯ごたえがやみつきに。濃い味噌スープとの相性も抜群で、具材に入った鶏肉、卵、しいたけ、ねぎなどがさらに旨味を引き立てます。
代表的なお店は、創業100年以上の老舗「山本屋本店」。しっかりした赤味噌のコクと、固いうどんの組み合わせは、まさに“名古屋らしさ”を感じられる一杯です。山本屋の味噌煮込みうどんは注文を受けてから土鍋で煮込むため、出来上がるまで少し時間がかかりますが、その分アツアツで満足度もひとしお。
- 特徴:土鍋でグツグツ。八丁味噌と鰹だしのスープが独特。
- おすすめ店:山本屋総本家/山本屋本店(名古屋駅・栄など)
6. あんかけスパゲッティ


名古屋を代表するご当地グルメのひとつ、「あんかけスパゲティ」は、一度食べたら忘れられない独特の味わいが魅力です。特徴は、黒胡椒を効かせたとろみのあるスパイシーなソース。
このあんかけ風のソースが、太めでもちっとしたスパゲティにしっかり絡み、濃厚ながらもクセになる味を生み出します。具材はウインナーやピーマン、玉ねぎ、マッシュルームなどが定番で、昔ながらの喫茶店スタイルを思わせる懐かしいビジュアルも人気の理由です。
発祥は昭和30年代の名古屋市中区にある洋食店とされ、名古屋独自の食文化として今も多くの市民に愛されています。ボリューム満点で、ランチタイムには行列ができる店も少なくありません。観光で名古屋を訪れた際には、ぜひ味わっておきたいローカルフードです。
- 特徴:麺は太め・具だくさん・味はピリ辛。ボリューム満点。
- おすすめ店:ヨコイ/チャオ(名古屋市内に複数)
7. 小倉トースト


名古屋の喫茶文化を象徴する一品といえば、「小倉トースト」が外せません。こんがり焼いた厚切りのトーストに、たっぷりのバター(またはマーガリン)を塗り、その上に甘く炊いた小倉あんをのせた、和と洋が絶妙に融合した名物メニューです。
シンプルながらも、香ばしいパンの風味とバターの塩気、そしてあんこのやさしい甘さが口の中で調和し、思わず笑みがこぼれるおいしさ。
起源は昭和初期、名古屋の老舗喫茶店がトーストとあんこを組み合わせて提供したことが始まりと言われており、その斬新さが話題を呼び、今ではモーニングの定番として全国にも知られるようになりました。喫茶店によっては、生クリームやアイスクリームを添えたアレンジも楽しめ、スイーツ感覚で味わえるのも魅力のひとつ。
- 特徴:意外な組み合わせがクセになる。朝の定番モーニングメニュー。
- おすすめ店:コンパル/コメダ珈琲店/支留比亜珈琲店など
8. 天むす


名古屋の手軽なご当地グルメとして親しまれている「天むす」は、海老の天ぷらをご飯と海苔で包んだ、一口サイズのおむすびです。
サクッと揚がった海老天の香ばしさと、ふっくらと炊き上げられたご飯の相性は抜群で、ほんのり効いた塩味が食欲をそそります。見た目にも可愛らしく、食べやすいサイズ感は、ランチはもちろん、駅弁やお土産としても人気があります。
発祥は三重県津市の老舗料亭「千寿」ですが、その味に惚れ込んだ名古屋の人々の間で評判となり、やがて名古屋メシの一角として定着しました。現在では、名古屋市内の和食店やデパ地下、おにぎり専門店などでも気軽に購入でき、多くの人に愛されています。シンプルながらも上品な味わいの天むすは、忙しい現代人にもぴったりな“和のファストフード”。
- 特徴:一口サイズで食べやすく、お土産にも◎
- おすすめ店:千寿(名駅うまいもん通りに店舗あり)
9. きしめん


名古屋名物の代表格とも言える「きしめん」は、平たくて幅広の麺が特徴のうどんの一種。つるりとした喉ごしと、もっちりとした独特の食感が魅力です。
一般的なうどんに比べて茹で時間が短く、だしとの絡みが良いのも特徴で、関西風のあっさりした出汁に鰹節をたっぷりのせて食べるのが名古屋流。上にはほうれん草や油揚げ、蒲鉾などが添えられ、素朴ながらもどこか懐かしい味わいが広がります。
その起源は諸説ありますが、江戸時代から名古屋の熱田神宮門前で提供されていたとも言われており、古くから地元の人々の暮らしに根付いてきました。現在では駅の立ち食いスタンドから老舗の麺処まで幅広く提供され、旅人の胃袋を満たしてくれる存在です。温かいものはもちろん、夏には冷やしきしめんとしても親しまれており、季節を問わず楽しめるのも人気の理由。
- 特徴:あっさりしたカツオ出汁に、つるっとした食感の麺。
- おすすめ店:住よし(JR名古屋駅ホームの立ち食いで名物)
10. カレーうどん


名古屋でカレーうどんといえば、全国で知られるものとは一線を画す、濃厚かつ独特なスタイルが魅力です。
特徴は、スパイスの効いたとろみのあるカレー餡と、コシのあるうどんとの絶妙なハーモニー。特に有名なのが、昭和初期に創業した「鯱市」や「若鯱家」など、地元で長年愛され続けている専門店です。カレーはルーというよりも和風だしと合わせた餡状で、麺によく絡み、ひと口ごとに旨みと香りが口いっぱいに広がります。
名古屋のカレーうどんには、豚肉や玉ねぎ、青ねぎなどシンプルながらしっかりとした具材が使われ、店舗によってはチーズや揚げもち、味噌カツをトッピングしたボリューム満点の一杯も。辛さ控えめでどこか懐かしさを感じさせる味わいは、幅広い世代に親しまれています。
- 特徴:名古屋のカレーうどんは、和風だし+濃厚カレー+とろみが特徴。味噌や牛すじが入るお店もあり、まろやかで奥深い味わい。
- おすすめ店:若鯱家(名駅・栄などに多数)/鯱市(スパイシー系)

名古屋メシ満喫!1日グルメモデルコース
名古屋駅➡栄➡大須ルート
名古屋駅で朝ごはん&軽めの名物メシ
- おすすめ店:老舗喫茶コンパル、コメダ珈琲
- ポイント:名古屋の喫茶モーニング文化を体験!あんこ×トーストの組み合わせはクセになる美味しさ。
- 場所:JR名古屋駅新幹線/在来線ホーム内(入場券でも可)
- ポイント:駅のホームで食べるのが通な楽しみ方。出汁香る一杯をさくっと味わえます。
栄エリアでがっつり名古屋メシランチ!
- 場所:矢場町本店 or 栄セントライズ店
- ポイント:甘辛い味噌ダレでご飯が進む。
- 場所:松坂屋南館10階
- ポイント:本格派のひつまぶしがデパート内で味わえ、観光客にも便利。
栄~大須エリアで食後のお楽しみ&食べ歩き
- 移動:栄から徒歩10分 or 地下鉄上前津駅へ移動
- おすすめグルメ:
・天むす(大須ういろ本店でも販売)
・台湾唐揚げやあんかけスパのテイクアウト
・甘味:小倉ソフトや味噌ジェラートなど変わり種スイーツ
締めは手羽先&台湾ラーメン!
- おすすめ店:世界の山ちゃん/風来坊(大須・栄・名駅周辺に多数)
- ポイント:手羽先+ビールで名古屋の夜を満喫!
- おすすめ店:味仙 矢場店(栄から徒歩圏内)
- ポイント:ピリ辛スープで満腹でもついつい完食!
モデルコース マップでチェック!
モデルコースで紹介したお店やエリアを、下のマップにまとめました。多店舗展開しているお店もありますので、移動の参考にどうぞ。
<まとめ
名古屋は、1日でもご当地グルメをたっぷり楽しめる“食のテーマパーク”。今回ご紹介したモデルコースでは、アクセス便利な名古屋駅・栄・大須の3エリアを巡りながら、定番の名古屋メシを効率よく味わうことができます。
一度食べればクセになる、個性派ぞろいの名古屋の味。観光の合間に、あるいは日帰りグルメ旅としてもおすすめです。お腹も心も、きっと大満足!
さらに時間があれば、名古屋コーチン料理や台湾まぜそば、どて煮といった濃厚系グルメにもぜひチャレンジしてみてください。甘味ではういろう、名古屋らしいお土産には守口漬も外せません。
何度訪れても新しい味に出会える――そんな奥深い名古屋メシの世界へ、あなたもぜひ一歩踏み出してみてくださいね!