「寄付して返礼品をもらう」「税金の控除が受けられる」─そんなメリットで広く認知されてきたふるさと納税ですが、2025年10月からはこの制度に大きな変更がありました。特に、多くの人にとって魅力だった“ポータルサイト経由でのポイント付与”が禁止され、以前のような「寄付＋返礼品＋おまけ（ポイント還元）」というお得感は一部失われつつあります。
そのため、これからふるさと納税を利用しようと考えている人、また「以前利用していたが変更があって迷っている」という人にとっては、改めて制度の内容と“正しい使い方”を理解したうえで行うことが重要です。
この記事では、2025年の制度変更をふまえて、今後も損せず賢くふるさと納税を使うためのポイントと、年末・12月に寄付をする人が知っておきたい注意点を解説します。
2025年の制度改正 ― 何が変わったのか
最も大きな変化は、「ポータルサイトを通じたポイント付与サービスの禁止」です。2025年10月1日から、これまで多くの“ふるさと納税サイト”で提供されていた「寄付金額に応じたサイト独自のポイント還元」は、原則として認められなくなりました。
この決定を受け、2025年9月には多くの利用者が“駆け込み寄付”を行ったと報じられています。
結果として、「寄付＋返礼品＋ポイント還元」という、いわば“三重のメリット”のうち“ポイント還元”がなくなることになります。
それでも「ふるさと納税」が支持される理由
ポイント還元がなくなっても、ふるさと納税には以下のような本質的なメリット・価値があります。
- 税金の控除
寄付金額に応じて、住民税や所得税の控除が受けられる。これにより実質的な負担は「寄付額 − 2,000円」という形になることも多い。 - 地域支援や応援
返礼品だけでなく、地方自治体の財源や地域振興を支えるという制度の本来の目的に沿った寄付ができる。 - 返礼品の“実用性”や“生活密着型”が再評価
ポイント還元がなくなったことで、返礼品そのものの価値・実用性が見直されつつある。たとえば、米・肉・魚介などの食料品、日用品、消耗品など“生活に直結するもの”が支持されやすいようです。
実際、制度改正後も「今後もふるさと納税を続けたい」と考える人が一定数おり、制度の有用性は根強いようです。
2025年に押さえておきたい “賢いふるさと納税” のコツ
ポイントがなくなったいま、賢くふるさと納税を活用するためには、以下のような点を意識するのがおすすめです：
“寄付の目的”を見直す
ポイント目当てではなく、「応援したい地域」「支援したい分野」「自分に必要な返礼品」という視点で寄付先を選び直すことで、制度の本質に近づき、満足度も高まります。
控除上限額をしっかり把握する
年収・家族構成などによって控除額の上限は人それぞれ。返礼品や寄付金額を選ぶ前に、控除の“目安”をシミュレーションしておきましょう。
返礼品は“実用性重視”で選ぶ
ポイントがなくなったことで、より“生活に役立つ返礼品”がコスパに見合う選択肢になりやすい。お米・食料品・日用品・定期便など、普段の生活で使いやすいものを狙うのが賢明です。
返礼品の在庫状況・配送スケジュールを確認
特に年末〜年始は寄付が集中するため、人気返礼品は早めに品切れになる可能性あり。また配送が年末年始にまたがるとタイミングがずれることも。余裕を持って申し込むのが安全です。
ワンストップ特例か確定申告かを事前に確認
複数の自治体に寄付する、医療費控除や住宅ローン控除など他の控除を使う可能性がある場合は、特例申請より確定申告のほうが適切なケースも。手続き内容を把握しておくと安心です。
12月にふるさと納税をする人への注意点
年末、特に12月にふるさと納税を利用する場合、以下のような“うっかりミス”を防ぐための注意が必要です。
● 寄付の申し込みと「支払い」を年内に完了させる
ふるさと納税でその年の控除を受けるためには、「申し込み」だけでなく支払いまで含めて年内完了が条件です。特に銀行振込やATM決済、コンビニ決済などは、入金処理が年をまたぐ可能性があるため要注意。なるべく クレジットカード等、即時決済可能な方法を選ぶと安全です。
● 控除上限を確認し、無理のない寄付額を設定する
年末は「今年中に寄付して控除を」と思うあまり、控除上限を超えてしまう人もいます。控除の目安を試算のうえ、余裕をもった金額設定を。
● 返礼品の在庫切れや配送遅延に備える
人気の返礼品は年末に申し込むと在庫切れや配送遅延のリスクあり。特に冷凍・冷蔵品などは、保存スペースや受け取りスケジュールにも余裕をもっておきたいところです。
● ワンストップ特例を利用する場合は申請書を早めに提出
ふるさと納税をワンストップ特例で申請するには、翌年1月10日までに申請書を自治体に提出する必要があります。12月寄付の場合、年末年始は郵便や自治体業務が混みやすいため、できるだけ早めに対応すると安心です。
● 返礼品や制度内容の変更に注意
2025年は制度改正の年。将来的には返礼品の「地場産品基準見直し」などさらに条件が変わる可能性も報じられています。返礼品や寄付先を選ぶ際は、最新情報をチェックするよう心がけましょう。
まとめ
2025年は、ふるさと納税にとって大きな節目の年 — ポイント付与の廃止という変化により、「お得さ」だけを求める寄付の時代は終わりつつあります。しかしそのぶん、「税控除」「地域支援」「返礼品の実用性」を見直した、“賢く・納得のいく”寄付スタイルがこれからの主流となるでしょう。
年末、12月にふるさと納税を考えているなら、慌てずしっかり準備を。制度内容を理解したうえで、自分と家族のライフスタイル、お財布、希望する返礼品を整理すれば、満足のいく選択ができます。
2025年という“変化の年”だからこそ、これからのふるさと納税を、自分にとっての「賢い選択」に変えてみてください。
