弘法参りと言えば、お遍路さんの四国八十八か所巡礼を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、名古屋でも同様の体験ができるのをご存知ですか?遠方で行かれない方や体力的な理由で行くことが出来ない方たちもお参りできるようにと、1931年正式に霊場として整備された名古屋三弘法霊場。今回は、この歴史ある巡礼のそれぞれの寺院をご紹介します。名古屋での特別な体験を、ぜひお楽しみください。
名古屋三弘法参りとは
名古屋三弘法参りは、名古屋市の中川区・港区に位置する三つの寺院を巡る巡礼です。この巡礼では、第一番厄よけ大師の宝珠院、第二番開運大師の辨天寺、そして第三番道びき大師の善光寺を訪れます。この伝統は昭和2年に始まり、昭和6年には正式に霊場として整備されました。弘法大師の命日である毎月二十一日が縁日となっており、多くの人々が弘法大師のご利益を求めて訪れます。
名古屋三弘法霊場会による看板には、三弘法参りの由来や功徳について次のように記されています。
名古屋三弘法の由来は、
【この霊場は昭和二年の秋四国八十八ヶ所霊場巡拝の一人の遍路が当地に来り、弘法大師誓願「一.厄よけ 二.開運 三.道びき」が不思議にもこの三ヶ寺の本願と相応じたので正しく「大師の化現利生の霊地ならん」と誓ったことにより開創されました。昭和六年一月二十一日、初版奉納経が謹製されるや、その功徳、霊験甚大にして、盛大に巡拝が行われております。】
巡拝の功徳は、
【寂本の功徳記に曰く「それ善を積むに限りなし、何んぞ八十八ヶ所に限らんや、三ヶ所や五ヶ所にても宜しく、或は一国一郡の霊場を巡拝するも功徳少からず、仏堂の蔭による畜類さえその縁浅からず」とあり、況して信ありて巡拝するもの無量の罪を滅し、無量の福を得べきこと疑いなく、昔よりこの霊場を巡拝し、無量の霊験加護の信者は枚挙にいとまなしと言われております。】
第一番厄よけ大師【宝珠院】
地下鉄東山線の「高畑駅」から徒歩7分ほどで到着します。近くには、名古屋四観音の一つである「荒子観音寺」があり、この辺りは戦国武将前田利家の出生地でもあります。
名称 | 如意山 宝珠院 |
所在地 | 名古屋市中川区中郷1丁目11 |
御本尊 | 薬師如来 |
創建 | 729年 |
第二番開運大師【辯天寺】
辯天寺の最寄り駅はあおなみ線の「荒子川公園」ですが、駅から徒歩約30分かかります。参拝には市バスを利用するか、自動車でお越しになることをお勧めします。
名称 | 宝生山 辯天寺 |
所在地 | 名古屋市港区多加良浦町4丁目278−1 |
御本尊 | 辯才天 |
創建 | 1925年 |
第三番道びき大師【善光寺】
地下鉄名城線の「名古屋港」駅の一つ手前、「築地口」駅から徒歩7分ほどで到着します。近くには「ららぽーと名古屋」などのショッピングモールや「名古屋港水族館」もあり、楽しめるスポットがたくさんあります。
名称 | 臨江山 善光寺 |
所在地 | 名古屋市港区港陽3丁目15−11 |
御本尊 | 善光寺如来 |
創建 | 1887年 |